すだまの足跡

技術と社会を考えたい理系大学院生が残したいつかの足跡。

2019-12-01から1ヶ月間の記事一覧

「博士」活かせぬ日本企業 雑感

r.nikkei.com タイトルの通り「「博士」活かせぬ日本企業」という記事が話題になっていたので、日本の博士問題に関する自分なりの意見を書き記してみます。 記事によれば、日本における博士号取得者はここ10年で16%減少したとのことです。博士号を取得した後…

デジタル写像で取り残されるもの

CDを買って音楽を聴く人が今どれくらい残っているのか分かりませんし、私も最近はお金が無くてストリーミングサービスで聴いてしまいますが(CDはやっぱり高い)、そういったデジタルなプラットフォームに搭載しきれない体験があることは確かです。CDの表現…

砂漠に住むつもりかい?

thebridge.jp 2018年に創業したパリのInterstellar Labというスタートアップが、アメリカのモハべ砂漠にSFの世界を実現するようです。人間が火星などで生きる方法を模索するための実験場です。イメージ画像がかっこいい。 完成すれば100人が暮らせるようにな…

犬と飼い主

飼い犬に手を噛まれれば痛い。小型犬だって本気の臨戦態勢に入れば、大の大人に怪我を負わせることくらいできる。怒って歯をむき出したりすると、結構怖い。しかし、そんな時に犬に文句を言っても仕方がない。飼い犬との健全な主従関係を築き上げられなかっ…

拒絶に慣れる

Yコンビネータ(YC)といえば今やアメリカで大成功するアクセラレータとして比類なき知名度を誇っていますが、以前『Yコンビネーター シリコンバレー最強のスタートアップ養成スクール』を読んでいて、記憶に残ったエピソードが、YCに参加する創業者の一人が…

量子コンピュータ開発 雑感

Googleの量子超越性実証で一気に沸き立った量子コンピュータ。昨日はなんとAmazonも独自のサービスを発表しました。盛り上がってますね、量子コンピュータ。ところで、その開発は今世界的にどのような状況にあるんでしょうか。気になったので少し調べてみま…

マートン・ノルム

アメリカの社会学者ロバート・マートンは1942年、科学者に求められる精神的態度を以下の4つにまとめた。これは現在マートン・ノルムと呼ばれるものである。 ①「公有性(Communality)」知識を私的に所有してはならない ②「普遍性(Universality)」科学理論…

シミュレーション仮説、音楽と出会う

Trying to understand the system of LifeTrying to understand myselfI created the world to be an image of myself, of my mind Pain of Salvation「Be」冒頭より ゲームクリエイターであるウィル・ライトが制作した「シムシティ」は1989年に発売されまし…

データイズムと科学との距離

昨日の投稿で、中世ヨーロッパにおける機械的自然観の誕生を起点とし、ユヴァル・ノア・ハラリのデータイズム思想まで話を広げてみました。しかし、物理学に深いルーツを持つ機械的自然観とデータイズムを同じ土俵で比較するのは、深刻な誤りとなる可能性が…