すだまの足跡

技術と社会を考えたい理系大学院生が残したいつかの足跡。

ヤフーとLINEが経営統合 日本から巨大プラットフォーマーが産声をあげる?

ヤフーとLINEが経営統合する方針に向けた最終調整に入ったと報道がありました。大きなニュースですね。

 

www.nikkei.com

 

LINEとヤフーのサービス利用者を合算すると、利用者数は1億人の大台に乗り、国内IT市場に突如巨大なプレイヤーが誕生することになります。アメリカにGAFAGoogleAmazonFacebookApple)あり、中国にBAT(Baidu、Alibaba、Tencent)あり、そして日本では孫正義率いる新会社が対抗する、ということか。

 

ソフトバンクは1号ビジョン・ファンドでアリババへ投資して大成功を収めていますが、アリババはいまやBATの一角として、ECサービスや、企業間の取引を容易にするB2Bオンライン・マーケットプレイスの運営など、幅広い領域に事業を展開するプラットフォーマーとなっています。日経の記事によれば、こうしたアリババの姿が孫氏を少なからず触発したことは間違いないと言います。

 

ところで、LINEやYahooの最近の事業から考えると、連想するのはどちらかというとテンセントです。一年ほど前、中国のシリコンバレーとも呼ばれる深圳を訪れましたが、大きく驚いたことの一つは、テンセントが運営するSNSアプリ、WeChatの無双っぷりです。LINEと同様のインスタントメッセージ機能が基本ですが、それにとどまらず、買い物は大体みんなWeChatPay(QR決済)で済ませていますし、アプリからDiDiも呼べますし、病院の予約も取れますし(医師の評価も見れるらしい)、公共料金の支払いもでき、一部の公的な証明書の取得まで可能です。中国でWeChatが無いと、ほんとに何もできません。

 

日本におけるSNSアプリとして、LINEのシェアは圧倒的ですし、決済サービスでは(しばらく戦国時代に突入してましたが)ヤフーのPayPayが強そうです。また、両社ともに金融サービスやECにも力を入れています。この2社が統合したら、まさに日本版テンセントが誕生しそうです。一体どんな事業が展開されていくのか。楽しみです。