すだまの足跡

技術と社会を考えたい理系大学院生が残したいつかの足跡。

容量不足を回避する

漫画『ハンターハンター』を読んだことある方は、カストロってキャラクターがいたのを覚えてるでしょうか。念能力の概念が登場する天空闘技場編で、自らの分身(ダブル)を作り出す技を武器にヒソカに戦いを挑んだものの、ヒソカの多彩な念能力に翻弄され、…

知と無知の功罪

日本は自己肯定感の低い国だとよく言われます。例えば、2014年に内閣府が行った調査によれば、「自分自身に満足している」若者の割合は、アメリカやヨーロッパ諸国が軒並み8割程度のスコアを出す一方で、日本は5割にも満たないといいます。かくいう筆者も、…

「2位じゃダメなんですか」は間違ってなかった

「2位じゃダメなんでしょうか?」 民主党政権時代の事業仕分けで蓮舫議員を一躍有名人にしたこの発言。 恥ずかしながらごく最近までこれを、科学技術研究の重要さを過小評価する政府の当時の姿勢を象徴するものと思っていました。 でも違うんですね。 もは…

【本の新結合 #3】 論理は「わたし」を描けるか?

畑違いの2冊を取り上げてはまとめて紹介する「本の新結合」コーナーです。 前回から既に方向性がおかしくなってきた気がしますが、気にせずどんどんいきましょう。 ところで先日、「本の神様」こと井狩春夫さんの書評本を読んだのですが、本を語る際の井狩…

音楽のハナシ 渋さ知らズ「Naadam」

たまに聞く曲に、渋さ知らズという音楽集団のNaadamという曲があります。 渋さ知らズはジャズを中心とした音楽を演奏する、メンバーが百名を超える超大規模なビッグバンドです。 金管、弦楽器、打楽器、ピアノから果てはテルミンまで演奏する楽器隊に加え、…

【本の新結合 #2】『血みどろ臓物ハイスクール』×『サークルクラッシャー亜紀』

畑違いの2冊の本に共通点を見出し、まとめて紹介していこうという「本の新結合」コーナーです。 前回はあまりにも真面目な長文記事になってしまったので、今回はそれを中和するかの如く、180度異なる方角へ思いっきり舵を切ってみたいと思います(下ネタ来…

【本の新結合#1】『イノベーションのジレンマ』×『科学革命の構造』

このブログで読書日記をやりたい、というの前々からの腹案だったのですが、どうも続く気が一切しない。どうせ三日坊主で終了するに違いない。セブンペイといい勝負である。 もっと続きそうな、面白いやり方はないかしらん。 という事で思いついたのがこちら…

これは感想ではない

ディスカバリー号はいまや、すらりと長い巨大なアレイとなり、前方の宇宙空間を覆いつくしていた。船体は光に照らせれて白く輝き、周囲に見える漆黒の闇と、現実味の無いコントラストを描いている。 ゆっくりと回転する船体の軸部分を目指し、ロープを伸ばす…

自律的ことばの逆襲

先日、頭木弘樹著『カフカはなぜ自殺しなかったのか?』を読んでいて、「言語隠蔽」という言葉に出会い、これが気になったので少し書きとめたいと思います。 まず、カフカが日記の中でそれについて示唆した部分を以下に孫引きします。 このところ、ぼくは自…

研究フロー再考

先日僕の研究分野の若手の会夏の学校に参加してきました。 集中講義形式で行われ、基本は先生の講義を一日中受けるようなスケジュールでしたが、ポスター発表の時間もあり、他大学の学生と議論することができました。自分と近い分野からも多くの学生が参加し…

とある戦争に関する手記

現在私の生きる世界では、二つの王朝の間で激しい戦争が勃発しています。 王朝が二つもあるなんて変なものです。両王朝ともに、お互いを排除しようと躍起になっています。 片方はダデアル朝と名乗っています。休日もスーツを着ているような堅苦しい連中です…

ブログタイトルについて

半ば直感的に決めたブログのタイトルですが、その由来についてちょっと書いてみます。 「魑魅の足跡」。魑魅(すだま)と読みます(追記: やっぱり読みにくいので「すだまの足跡」に変えました)。魑魅魍魎という言葉がありますが、魑魅(すだま・ちみ)は「…

Meetupに参戦

皆さん、悩みはありますか?僕にはあります。例えば最近研究に対するかつての情熱を失いかけており、当然というか、進捗がない。転出やらなんやらで居室には人が少なくなり、そして誰もいなくなったりするんじゃないかという様子で精神が荒むし、これはいか…

物忘れ

記憶力がない。 人の構成分子は一定周期で入れ替わるというが、それと一緒に記憶も捨て去られているのではないかと疑う勢いだ。「非使用のAppを取り除く」機能をオンにしたiPhoneに似て、奴はぼくが眼を放している隙に地図からLINEからどんどん削除していく…